中部地方は、モノづくりの最先端地域と言われていますが、南海トラフ地震や台風の襲来といった自然災害の脅威を抱える地域でもあります。また、近年ではモノづくりに欠かせないインフラの老朽化や、社会資本を支える人材の減少といった社会状況の変化も見られます。
こうした状況を踏まえると、社会資本の整備・維持管理・活用や防災・減災・国土強靭化等に関する技術開発などの研究が今後一層重要になると考えています。
そのため当協会では、中部地方の大学、高等専門学校等が行う社会資本の整備・維持管理・活用、防災・減災等に関する研究に対して助成を行います。
募集
令和8年度 研究助成の募集を行います。
申請にあたっては、募集要領をよく読まれて応募してください。
募集は終了しました。
- 募集要領open_in_new(PDF 82.4 KB)
- 申請様式1、2open_in_new(ワード 116 KB)
- 申請様式3、4open_in_new(エクセル 28.4 KB)
選定
令和8年度 研究助成について審査の結果、次のとおり選定いたしました。
| № | 申請者 | テーマ | 研究名称 | 研究期間 | 研究の概要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 豊田工業高等専門学校 環境都市工学科 教授 小林 睦 |
防災・減災・国土強靱化 | 土砂崩壊防護工に作用する衝撃力の再現による設計手法の開発 | 1年 | 土砂崩れによって流れ落ちてくる土砂を受け止める防護工は,山間部の交通ネットワークを安全に利用してもらうために重要です。本研究では,この防護工の設計の合理化を図り,設置コストを削減することを目指します。 |
| 2 | 名古屋工業大学 助教 福井 信気 |
海岸工学・土木計画学 | 気候変動適応型の沿岸都市デザインに向けたハザード評価と空間設計の統合手法 三重県・鳥羽駅と周辺エリアを対象として | 1年 | 気候変動による海面上昇により高潮・高波や津波による沿岸都市の浸水リスクが増加しています。本研究は三重県鳥羽駅前を対象に高潮・高波による沿岸ハザードを評価し、防災と景観・都市機能を両立する気候変動適応型の都市空間設計を検討します。 |
| 3 | 名古屋工業大学 高度防災工学研究センター センター長 萱場 祐一 |
防災・減災・国土強靭化 | 共創の災害復旧・復興に向けた大学の役割 | 2年 | 本研究では、災害発生から復旧・復興に至る各段階における大学の役割と、産官学民の連携の在り方を明確化し、共創による効果的な災害対応と社会インフラの回復プロセスの体系化を目指す。 |
| 4 | 名古屋大学減災連携研究センター 特任准教授 木作 尚子 |
地域防災・まちづくり・防災教育 | 避難所内レイアウト計画支援ツールの開発 | 1年 | 避難所の収容計画およびレイアウト計画の高度化を目的として、自治体や地縁組織(自治会や自主防災組織等)が、事前に避難所のスペース活用方法を検討できる計画支援ツールの開発・導入を進める。 |
| 5 | 豊田工業高等専門学校 環境都市工学科 教授 山岡 俊一 |
交通工学 | 生活道路における法定速度30km/h化の効果検証と政策評価 | 1年 | 2026年9月から生活道路の制限速度が60km/hから30km/hに下がる。 本研究では、その前後で車の速度や交通量、危険な運転行動がどう変わるかを調べる。また、住民の安心感や交通安全への意識の変化を明らかにする。さらに、他の対策との違いも比較する。 |
| № | 申請者 | テーマ | 研究名称 | 研究期間 | 研究の概要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 岐阜工業高等専門学校 環境都市工学科 助教 井向 日向 |
社会資本の整備・維持管理 | 自己修復性セメント系材料を用いた床版止水の可能性の検証 | 1年 | 鉄筋コンクリート床版の防水機能の低下により、床版が土砂のようになる現象がみられる。本研究では、土砂化防止策として、無機系材料に加え自己修復性セメント系材料による止水処理を施し、その持続性を検討する。 |
| 2 | 名古屋大学 減災連携研究センター 教授 飛田 潤 |
地域防災、 防災教育 |
地域防災にむけた簡易地震計によるボトムアップ地震観測の展開 | 1年 | 地震の揺れと被害は多様で、身近な地盤や建物の揺れ方を知ることは、災害対応だけでなく備えにも有効です。 ローコスト地震計を利用して、地域、学校、企業などで使える観測システムを製作し、防災教育や災害対応への活用をめざします。 |
| 3 | 名古屋大学 減災連携研究センター 特任助教 幸山 寛和 |
地域防災 | 電力スマートメータデータを活用した大規模災害発生時の社会状況モニタリング | 1年 | 大規模災害発生後の被災状況のうち社会活動に密接にかかわる電力データに着目し、多様な災害状況に対応する電力データ変動を整理し、災害時の地域社会活動の変化をとらえる手法の開拓を目的としている |
| 4 | 名古屋大学 減災連携研究センター 研究員 末松 憲子 |
人文学 | 輪中地域に培われた「経験知」を地域資料館に眠る資料から探る | 2年 | 水害頻発地域において、地域の人々がどう水害と向き合っていたのか、利害相反する地域間がどの様に対立・折衝・協調を行っていたのか。地域に眠る資料群から、輪中地域に培われた「経験知」の抽出を試みます。 |
| № | 申請者 | テーマ | 研究名称 | 研究期間 | 研究の概要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 学校法人大同学園 大同大学 准教授 樋口 恵一 |
防災・共助活動・避難支援 | 避難支援マッチングアプリの実装にむけた実証的検討 | 1年 | 避難行動要支援者は増加傾向にあるものの、サポーターの確保が課題である。そこで、大学生や地域企業従業者といった新しいサポーターとの連携を目指し、避難支援マッチングアプリを用いた避難訓練から、支援の成立条件や課題を明らかにする。 |
| 2 | 愛知文教女子短期大学 准教授 砂田 治弥 |
データ可視化、web構築 | 多能工の技能伝承を中心としたwebプラットフォームの開発 | 2年 | 建設業で課題となっている人材確保と育成のため、web上で熟練技能者の動作分析データをまとめ、研究内容を公開するwebサイトを構築します。web3Dや分析動画のような、言語に頼らない表現方法を利用して、技能を継承する人材を数多く育成する教材となることを目的としています。 |
| 3 | 名古屋工業大学 教授 秀島 栄三 |
土木工学・建築学 | 土木・建築を横断する3次元モデルの活用策に関する研究 | 1年 | 駅前再開発など建築物と土木構造物が複雑に接合する場面においてBIM/CIM等の3次元モデルが施設供用後も関係者間で有効に活用されるための使用ならびに共有の方法を現状分析、意見聴取、実証実験などを通じて検討します。 |
| 4 | 豊田工業高等専門学校 教授 山岡 俊一 |
交通工学 | 生活道路における法定外表示のドライバーに対する心理的効果の解明 | 1年 | 住宅地の生活道路を走行する自動車のドライバーに対して安全運転を促す対策の一つに、路面の色を変えたり、”速度注意“のように文字で表示したりする「法定外表示」があります。本研究では、各種「法定外表示」がドライバーに与える心理的効果の測定を試みます。 |
| № | 申請者 | テーマ | 研究名称 | 研究期間 | 研究の概要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 名古屋工業大学 工学研究科社会工学専攻 准教授 京川 裕之 |
地盤工学 | 黄鉄鉱含有泥岩の酸化に伴う間隙構造と力学特性変化の解明 | 1年 | 黄鉄鉱を含む地盤ではその酸化反応によって硫酸が生成され、地盤風化や水質汚染の要因となります。本研究では、地盤中における酸化反応を室内実験で再現し、酸化進行および力学特性への影響を解明することを目的とします。 |
| 2 | 豊田工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 松本 嘉孝 |
衛生工学 | 中山間地における安全・安心な水道水供給に関する研究 | 1年 | 中山間地の小規模浄水場において、降雨により原水河川水質が安定しない時でも、水道水質基準を満たす水道水の供給を継続するための運用手法を検討します。そのために、原水水質のモニタリング、消毒後の消毒副生成物分析、給水量の実態調査を行います。 |
| 3 | 岐阜工業高等専門学校 環境都市工学科 助教 井向 日向 |
社会資本の整備・維持管理 | 無機系含浸材による RC 床版の土砂化防止対策の研究 | 1年 | 鉄筋コンクリート製床版の防水機能の低下によって、床版が土砂のようになる劣化現象がみられます。本研究では、安価な無機系含浸材を利用してコンクリートへの水の浸入を抑制することで、床版の土砂化対策として有効な技術を検証します。 |
| 4 | 岐阜大学工学部附属インフラマネジメント技術研究センター 教授 沢田 和秀 |
社会資本の整備・維持管理 | 国土交通省インフラ整備事業の広報を考える | 1年 | 道路は、人流と物流によって産業を支え、また、緊急・災害時に不可欠であるが、一般には使えてあたり前で、使用者が不具合を感じるまで認識されません。 そこで、道路等の公共施設がどれほど社会活動を支えているかがわかる動画を作成・公開することで、公共事業の重要性をアピールします。 |
| 5 | 名古屋大学 減災連携研究センター 博士研究員 倉田 和己 |
防災・減災 | 時空間GISを用いた伊勢湾台風の災害教訓活用による地域学習 | 2年 | 1959年に発生した伊勢湾台風は、東海地域に甚大な被害をもたらし、多くの貴重な記録と記憶を残しました。 本研究では、散逸しつつある資料や伝承を時空間GIS上に集約し、伊勢湾台風の追体験と教訓の再獲得を促す仕組みを実現します。 |
| 6 | 愛知県立大学 外国語学部/ 多文化共生研究所 教授/ 所長 小池 康弘 |
防災、異文化コミュニケーション、コミュニティ通訳 | 外国人住民を含む防災と災害時コミュニケーションの研究 | 2年 | 本研究は外国人住民に対する防災啓発方法、災害時における多言語情報発信、避難所運営や被災者ケアにける多言語・多文化的な支援のあり方、外国人住民を含めた地域防災力を高める人材育成等について研究を行います。 |
実施報告
研究助成・地域づくり活動助成 成果報告会
| 日 時 : | 令和8年8月27日(木) 14:00~16:15 |
| 場 所 : | 栄ガスビル 5階ガスホール |
| プログラム : | ●研究助成 1.多能工の技能伝承を中心としたwebプラットフォームの開発 愛知文教女子短期大学 准教授 砂田 治弥 氏 2.地域防災にむけた簡易地震計によるボトムアップ地震観測の展開 名古屋大学 減災連携研究センター 教授 飛田 潤 氏 3.電力スマートメータデータを活用した大規模災害発生時の社会状況モニタリング 名古屋大学 減災連携研究センター 特任助教 幸山 寛和 氏 ●特別報告 4.小里川ダムでのDX実装に向けた自律飛行ドローン実証実験 中部ダム管理DX研究会 名古屋大学大学院 教授 戸田 祐嗣 氏 ●地域づくり活動助成 5.市民の参加と協働を進めるコーディネーション研究集会2026あいち 特定非営利活動法人 日本ボランティアコーディネーター協会 6.地下水の水温変化と地震との関係分析に基づく防災情報の発信 特定非営利活動法人 地下からのサイン測ろうかい 7.夏休み山崎川生き物観察会 山崎川グリーンマップ 8.堀川・熱田エリアで「水辺でマチル?」 水辺とまちの入口研究所 |
| 聴 講 : | 会場聴講 先着100名(Webによる事前申し込み) |
| 聴講料 : | 無料 |
| その他 : | 土木学会認定CPDプログラム |
- くわくは、開催案内チラシopen_in_new(PDF 372 KB)をご覧ください。
- お申込みはこちら:申込フォームopen_in_new 申込は終了しました。
